外側から見てみたい

地球に生まれて暮らして早幾年

芸人交換日記の話

昨晩、「芸人交換日記~イエローハーツの物語~」鈴木おさむ著/太田出版 を読みました。

2011年の舞台のDVDは持っているけれど観るとまぁ泣いてしまうのでこの12年で2、3回しか観ていないのですが、ふと思い立って小説を初めて読みました。

まぁーー驚くほど泣いてしまいました。

どうにもこの物語、いつの私にもぶっ刺さるようです。

 

30歳を過ぎてもパッとしない芸歴11年目のお笑いコンビ、イエローハーツが交換日記で徐々に本音をぶつけ合うようになって、新設のお笑いコンテストに挑戦する話。

淡々としていてネタ作りとボケ担当の田中と、お調子者でツッコミ担当の甲本。

コンテストに出る出ないで揉める二人だけど、出たくない甲本が日記にぶつける葛藤は、何か夢があった誰もが感じたことのある感情じゃないかなと思います。

売れたいと口では言いながら「芸人やってます」を理由に安心している自分が嫌だ。

本当に「芸人だ」って胸張りたい、売れたい、変わりたい。

イエローハーツは交換日記で本音を話し合うことで二人が改めて同じ方向を向いて同じ目標に向かって猛烈に努力します。

結果的に二人は別々の人生を歩くことになってしまうのだけど、あの二人で死ぬほど漫才に向き合った日々が彼らの人生の財産になっている。「夢を諦めるのも才能」という言葉も出てくるのだけれど、夢を諦めたとしても人生は続くので、すべては、「どう生きるか」ということだよなあ。

久しぶりにこの物語に触れて、そんなことを思いました。

 

ひとつ前の投稿で、ずっとやってみたかったドラムを始めた話をしました。

初めてドラムを叩いた話 - 外側から見てみたい

私はずっと「あれやりたいなあ」と思いながら何も始めないという実行力のなさが自分の欠点だなってわかっている。

でもやらない。

そんな時にいつも「『やろうと思ってた』と『やる』の間には実は大きな川が流れている」

という言葉を思い出すのです。重い、この言葉。

なのでちょっとずつでいいから「やろう」と本気で思ったのです。

ちょっと動いたからって大したことじゃない、結果出さないと意味がない。

大人はそう言われてしまうことの方が多いかもしれないけれど、趣味だって、やろうと思っているだけじゃなくてやってみるってすごくいい。楽しい。

新しいことはじめるぞ、となっただけで、なんだかちょっとだけ今までと違う気分で過ごしています。

そう、結局「どう生きるか」ですな。

楽しいぜ。